こんにちは。新村組の望月咲江です。新村組は、自社の機械や技術で叶えられることなら積極的に関与していくという心構えで、地域のお困りごとから大規模な工事まで、幅広い現場でお手伝いをさせていただいています。
焼津の夏の風物詩であるマグロの水揚げ作業もその1つ。毎年5月から9月に焼津港へ帰港する漁船から、何百キロものマグロを港へ移動させる仕事です。建設業者が漁業にも関わっていることを意外に思われる方もいらっしゃるのでは?今回は新村組のオペレータさんと一緒に、マグロの水揚げ現場をレポートします。
マグロの水揚げ現場レポート
待ち合わせ場所は焼津港。大きな船の横に、高くそびえる新村組のクレーンが見えます。安全のためヘルメットを装着して、いざ現場に接近します。
焼津は日本有数の遠洋漁業漁港。マグロにおいては、日本の水揚げ量の3分の1を占めます。この日帰港していたのはミクロネシアで捕獲した90トン分のマグロを積んだ漁船。
マグロの水揚げは天候の良い日を選んで2日ほど前に日程が決定します。新村組は市場の職員の方から発注を受け、クレーンを派遣。朝の打ち合わせと、クレーンの操作を担当しています。
オペレータ「今はまさに水揚げの真っ最中です。船の冷凍庫に格納されたマグロをクレーンのフックにひっかけ、陸へと移動させます。今日は朝9時ごろから作業開始して、お昼くらいに終了の予定です」
早速マグロ漁船の中へと案内していただきました。船の底から、クレーンの先端にかけられたマグロが続々と吊り上げられていきます。
▲マイナス60度の冷凍庫から吊り上げられるマグロ。
▲中で荷役の人がマグロをひっかけます。
▲荷役の合図にあわせ、クレーンで真上に釣り上げます。
▲仲買人さんや市場関係者の待ち受ける番台へ、素早く移動。
▲マグロの大きさや種類別に仕分け、それぞれ仲買人さんに引き渡されます。
大勢の人が待ち受ける番台へ着地させるのは、技術が求められる作業。自身もクレーンを操作するオペレータさんに作業のポイントを聞きました。
オペレータ「マグロの水揚げ作業で求められるのは、第一に安全です。安全を守るためには打ち合わせで全体像を把握したり、荷役や市場側からの合図に正確に従った操作をすることが大切です。勝手な判断は事故に繋がるので合図を最も優先しています」
▲マグロはカチカチに冷凍されている。大きいマグロだと1匹100キロにも及ぶそう。
オペレータ「マグロの鮮度を守るため、スピード感も求められます。暑い時期は特に、マグロが溶けてしまわないよう、無駄のない操作を心がけています。この仕事は、かなり神経を使います。マグロを釣り上げる冷凍庫の出口は小さく、マグロをおろす番台は狭い、周辺には仲買人さんのトラックや人がたくさんいて危険度も高いです。一見単純な作業ですが、集中力と経験値が必要な現場なんですよ」
▲この日の作業担当オペレータさん全集中。
▲出動しているのは50トンクレーン。
オペレータ「カツオの水揚げは12トンクレーンを使用します。カツオもマグロも水揚げ作業は実際にクレーンを操作し始めてから4~5年経たないと任せてもらえない程の難易度なのです。ですからマグロの水揚げ作業を経験したことのあるオペレーターは社内に10名ほど。25トン以上のクレーンに乗れるメンバーが、順番にマグロの現場を担当しています」
地元の仕事を大切にしたい
お話を聞かせてくれたオペレータさんがはじめてマグロの水揚げ現場を見たのは新村組に入社してからでした。マグロの大きさや迫力に圧倒されたそう。
オペレータ「地元の仕事なので、失敗しないように集中して取り組んでいます。時期によっては港がない町の学校の子供たちが見学に来るんですよ。“わーすごい!”と声を聞いたときは、この仕事をやっていて良かったなと思います。その子たちが将来、市場の仕事やクレーンに興味を持ってくれたらと思うと、とても楽しみなことですよね」
新村組は護岸工事など、焼津の景色に因んだ仕事も多くお引き受けしてきました。会社として地域密着という信念を掲げていますが、社員であるオペレータさんからも地域貢献への想いを伺うことができました。
オペレータ「僕は地元でやりたいですね。地元が好きですから。海岸線の工事も、完成した景色をあとから自分で目にすることがありますが、“これ、自分たちが作ったんだよな”と振り返ったりしますね。焼津は海があるし、富士山も見えるから、とてもいい場所だなと思います。趣味が釣りなので、プライベートでもほぼ毎日海に来ています。釣り仲間もたくさんできました。人とのつながりがあるから、地元が好きなんでしょうね。やっぱり地元が一番」
地元への想いを形にできる環境で働くことは、暮らしを充実させることにもつながっているのかもしれません。焼津を愛する人たちにとってやりがいの詰まった仕事です。新村組で、地元への想いを形にできる仕事に携わりませんか?