地域に根差し、人と街の成熟を願う<前編>

こんにちは。新村組の望月咲江です。地域密着への想いをお伝えするべく、3代目社長・望月きよみへのインタビューを2記事に渡って収録しました。

100年の歴史の中で、地域密着にこだわり続けてきた新村組。
焼津の発展を支える実力を備るべく、多様な機械を取り揃え、オペレーション技術の向上にも取り組んできました。静岡県下では最大級の機械を保有し、全国の大規模な現場で活躍できるほどの実力を有しています。それでも「地元の仕事を何より重視したい」とこだわる理由とは?

まずは前編をご覧ください。

拡大よりも成熟を目指す

「地元の仕事を中心に請け負う最も大きな理由は、社員がより良く生きるための生活水準を確保するためです。“良い生き方”の定義は人それぞれですが、少なくとも新村組が社員に約束できることは、しっかりお給料をお支払いすることと、家庭との両立ができるワークスタイルを作ることです。

まず、お給料をしっかり支払うために、求められる会社であること。そのために会社ができることは2つです。1つは、お客様の期待にお応えできる最新機械を導入すること、もう1つはお客様への対応の質を上げることです。

後者については、これができると建設業界では大きなアドバンテージになると思っています。古来から職人と呼ばれる人たちは、技術がすべてでしたから、コミュニケーション力が重視されてこなかったんですよね。頑固だったり、計画性がなかったりといった人が多く、
お客様から扱いづらく思われてしまうこともあったでしょう。ですが時代は変わり、職人に求められるスキルセットも変化しました。機転の効く対応力、現場で瞬時に正しく動ける判断力を備えた人材を育てていくことが、新村組が選ばれ続けるための鍵だと思っています」


▲マナーや教養にまつわる講習を実施し、一人一人の成熟を支援する

「あくまで私の考えですが、そのような人材が育つには、人生の基盤である家庭生活を充実させるべきだと思います。ゴミ出しや地域団体の掃除など、“お父さん”という役割が必要とされるシーンは多々ありますよね。それらに参加することで会社以外の場所にも居場所ができ、人として豊な生活が送れると考えています。人と繋がり、安心して暮らしていけることが、社員の人となりを良くする。家庭生活で培われたコミュニケーションスキルや頭の柔らかさは、仕事の質にいい影響を与えると思います。

それに、男性が家庭や地域の活動に積極的になることで、子どもたちは“お父さん”とは何かを学びます。そのような家庭で育った子どもが増えれば、次の世代の子育てにもいい影響を与えるはずです。

私は社員に、家族を大切にしてほしいと願っています。ある時、東京の現場に行く予定になっていたオペレーターの奥さんが脳梗塞で倒れたことがありました。出張をすると3~4ヶ月は現場から帰ってくることができません。そんな人に遠方へ行ってもらうわけにはいきませんから、急遽代わりのオペレーターに依頼しました。代わりのオペレーターにはいろいろな面で負担をかけてしまい、会社全体が険悪な雰囲気になってしまったんです。とても残念なことですよね。こういった経験から、社員がストレスを抱えずに済むワークスタイルを常に模索しています。

成長軸を売上高や営業範囲や社員数のなどとすると、結果的に“良く生きてほしい”という願いから遠ざかってしまう場合が多いと思います。新村組は、社員一人一人のレベルアップにフォーカスすることで成熟した会社を目指します」

自分の仕事を誇れるように


▲焼津名物のマグロの水揚げでは新村組のクレーンが活躍中

「より求められる会社になるための取り組みは、地域に密着しお客様からの信頼を積み重ねることが第一ですが、大都市圏の仕事に着手することもゼロではありません。

出張により家庭での時間が削られてしまうというデメリットがある一方、社員のキャリアを考えると、大都市圏の仕事は良い教材になると思っています。大手ゼネコンの現場に行くと、最新の設備や安全対策に関する知識がロールアップされるので、オペレータの自信につながっているようです。

自分の仕事を誇れるきっかけ作りは、とても大切なことですよね。地域の仕事もまた、誇りを実感できる機会に溢れていると思います。護岸工事にはじまり、街の中には自分たちが手掛けた設備や道路がたくさんあります。それを見るたびに、やり遂げた仕事に誇りを持っている社員が大勢います。皆んなシャイなので口には出しませんけどね。

私は機械や人員の配置を考える立場ですので、会社の所有する機械をみなさまにお披露目するとき、とてもやりがいを感じています。5~9月にかけてのマグロ船が寄帰港するシーズンは、マグロの水揚げ作業に新村組の機械を使っていただいています。普段はクレーン作業に関わらない地域のみなさまに、新村組の活躍を見ていただける機会を作れたことを、嬉しく思います」

>>マグロの水揚げ作業の様子を見る

頼ってくれる人に、応えたい

「マグロの水揚げ作業は漁船の航行状況によって直前まで入港スケジュールが決まりません。また、作業スピードを要求されるので、密集した中での作業の為緊張度が高まります。それでもお引き受けするのは、頼ってくださる人がいるから。そのような現場でも、新村組は積極的にお引き受けしてきました。これは初代社長の時代から変わらず続けてきたスタンスです。

マグロにかかわらず、困っている人がいたら助けたい。新村組の社員にはそういう心意気のある人が多くいると感じます。頼られやすい性格の人が多いためか、社員に直接相談を持ちかけてくだる近隣住民の方もいらっしゃいます。

ある時、農家の方から相談をいただきました。田植えをするために耕運機を運転していたところ、うっかりと沼にハマり、脱出することができなくなってしまったというのです。困っているならばと、下見をし、クレーン車と玉掛け作業員を派遣させていただきました。その他にも、軽トラで溝に落ちてしまったとか、東名高速で火災事故があったからトレーラを動かしたいとか、水中に車を落としたとか、規模にかかわらず重量物にまつわる相談が舞い込んできます。

新村組の機械や技術で叶えられることなら、快くお引き受けさせていただきたい。だって、頼ってもらったのに”できない”って答えるのは、カッコ悪いじゃないですか。慎重であるべきだけど、決して臆病にはなりたくない。これは代々続く鯔背な職人の美学かもしれませんね」

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