秋の日の雨上がり
雨上がりの草取りは気持ちがいい。
夏の日照りでカッチカチの土の中で
「僕は絶対に抜かれないぞ!」と言わんばかりに
土の中に根を張り、ふんばっている草。
よしんば葉は摘まれたとしても、
根っこだけは残って復活を決行する強さがある。
しかし、
雨上がりの草達はたっぷりの水分補給をして
ゆるい土に抱かれて油断している。
そこをすかさず、
草の真上からまっすぐ上に指でつまみ上げる。
すると、
ほろほろ土を落としながら
白い根っこの先まで抜けてくる。
これが快感なのだ。
見ると葉っぱの5倍の根が
地下に埋まっているのだ。
「人間」と同じだ。
人間の見えている部分はほんの1部で
その根元にはたくさんの時間と経験と思いが埋まっている。
草のかたまりを端から抜いていき、
徐々に密集した部分に進むと、
これは「会社」だ。
沢山の種類の違う草たちが
その根をからませながら、
強く強く根を張っている。
なかなか抜けない。
そしてスッキリ根の先までは抜けず切れてしまう。
「強い会社」はこれだ。
様々な社員がいて
その仕事やお客様と絡み合って根を強く張っている。
会社のあるべき姿だと考える。
朝の環境整備の時間が良い時となった。